質問者:
一般
フィカス大好き
登録番号6135
登録日:2025-04-05
フィカスの葉裏、恐らく気孔から、樹液が滲出するのは何故でしょうか。みんなのひろば
イチジク属の葉裏から樹液が出てくるメカニズム
土壌の水分が不足した状態で置いたフィカスに良く見られますが、水ストレスと関連のある生理障害ですか?
複数のイチジク属で同様の応答が確認出来ましたが、全くそのようにならない種もあります。
生物学的には同じ種ですが、栽培品種や変種だと、滲出しにくいものも存在して差異があります。
フィカス大好き様
Q&Aコーナーへ再度ご来場歓迎いたします。葉からの樹液分泌の写真もありがとうございました。
まず初めに、この分泌物が何であるかをお答えします。これは植物の乳液(latex)です。乳液を分泌(含む)する植物はいろいろあります。一番よく知られているのはパラゴムノキ(タカトウダイグサ科)の乳液でしょう。他にイチジクの属するクワ科、キョウチクトウ科、キク科(タンポポなど)、ケシ科などなど。タケニグサやクサノオウなどは黄褐色の乳液を出します。
乳液は植物体の全ての柔組織の中に広がっている乳管(laticifers) 細胞で作られます。イチジクの場合は、それについての研究が報告されていますので、ネットで以下の項目で検索してみてください。 日本木材学会大会2014での報告なので、要旨しか載っていませんが、写真も載っていますので参考になると思います。 「イチジクFicus carica L.の乳管の構造 (in Japanese)」(神戸大院農)◯黒田慶子、梶井千永、(広島県農技セ)森田剛成)。また、乳液・乳管のことについては、本コーナーの登録番号0622, 0804, 2047, 3462を読んでください。
植物の乳液は種によっても異なりますが、タンパク質、各種の糖、アルカロイドなどの混合物です。組織に物理的傷害が加わるとその傷口から流出します。これは昆虫による喰み傷やカビなどの侵食への防御反応だといわれています。近年この関係の研究はいくつか報告されています。例えば、イチジクの乳液に含まれる最も多いタンパク質は,抗昆虫タンパク質として知られるシステインプロテアーゼとトリプシンインヒビターです。(北島 佐紀人「植物の乳液成分を手掛かりに新規な抗昆虫タンパク質を探す抗昆虫タンパク質———」今日の話題、化学と生物 60(6):267-268 (2022))
乳液は人によってアレルギー反応があり、痒くなったり、腫れたりの炎症反応を引き起こします。また、乳液に触れて太陽光、特にUV光の晒されると反応はさらにひどくなるようです。
Q&Aコーナーへ再度ご来場歓迎いたします。葉からの樹液分泌の写真もありがとうございました。
まず初めに、この分泌物が何であるかをお答えします。これは植物の乳液(latex)です。乳液を分泌(含む)する植物はいろいろあります。一番よく知られているのはパラゴムノキ(タカトウダイグサ科)の乳液でしょう。他にイチジクの属するクワ科、キョウチクトウ科、キク科(タンポポなど)、ケシ科などなど。タケニグサやクサノオウなどは黄褐色の乳液を出します。
乳液は植物体の全ての柔組織の中に広がっている乳管(laticifers) 細胞で作られます。イチジクの場合は、それについての研究が報告されていますので、ネットで以下の項目で検索してみてください。 日本木材学会大会2014での報告なので、要旨しか載っていませんが、写真も載っていますので参考になると思います。 「イチジクFicus carica L.の乳管の構造 (in Japanese)」(神戸大院農)◯黒田慶子、梶井千永、(広島県農技セ)森田剛成)。また、乳液・乳管のことについては、本コーナーの登録番号0622, 0804, 2047, 3462を読んでください。
植物の乳液は種によっても異なりますが、タンパク質、各種の糖、アルカロイドなどの混合物です。組織に物理的傷害が加わるとその傷口から流出します。これは昆虫による喰み傷やカビなどの侵食への防御反応だといわれています。近年この関係の研究はいくつか報告されています。例えば、イチジクの乳液に含まれる最も多いタンパク質は,抗昆虫タンパク質として知られるシステインプロテアーゼとトリプシンインヒビターです。(北島 佐紀人「植物の乳液成分を手掛かりに新規な抗昆虫タンパク質を探す抗昆虫タンパク質———」今日の話題、化学と生物 60(6):267-268 (2022))
乳液は人によってアレルギー反応があり、痒くなったり、腫れたりの炎症反応を引き起こします。また、乳液に触れて太陽光、特にUV光の晒されると反応はさらにひどくなるようです。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2025-04-06