一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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夾竹桃の毒について

質問者:   会社員   木工さん
登録番号6163   登録日:2025-05-09
趣味で色々な樹木の木材を使って木工をしているのですが、夾竹桃には強い毒性があると聞いています。
しっかりと乾燥した材料であれば、木工に使用しても良いのでしょうか???
もし、舐めたりしてもダメであれば、塗装や漆などでコーティングすれば良いとかあれば教えて頂きたいです。
よろしくお願いいたします。
木工さん 様

キョウチクトウは街路樹などにもつかわれていますが、実は毒性がある木です。毒物質の本体はオレアンドリン(Oleandrin)というアルカロイド系の物質です。毒性は0.3mg/kg(60kgの体重の人は18mg)が致死量といわれ、200~300mgが致死量である青酸カリよりも強いことになります。植物体の全ての部分に含まれています。経口的だけでなく、接触によっても毒性は表れます。枝や葉を燃やしたりすると煙の中には毒成分がふくまれます。勿論、耐毒性は人によって異なりますが、舐めるだけで中毒症状を示す人もあるようです。
キョウチクトウの材を木工細工に使うのは、私としてはおすすめできません。完全にコーティングしても、毒成分に敏感な人がどんなことでコーティングの剥がれた部分と接触するようなことが起きるかもしれません。それに細工仕事では木と密着しなければならないでしょう。材の端切れなども一般のゴミとして処分するのも問題なのではないでしょうか。
私はこういう問題は専門の分野ではありませんので、いろいろ調べてみました。ネット上で「夾竹桃の毒性」で検索すると非常に沢山のサイトがあります。どれも似たり寄ったりですが、キョウチクトウのことをいろいろまとめてかなり詳しい情報が掲載されているサイトの「Blog Archive 夾竹桃 (Oleandere)の毒性 」です。また、ごく一般的な同様なサイトは「キョウチクトウの毒性を徹底解説」と「キョウチクトウ解毒を解明!安全対策ガイド」です。前者は「医薬品情報21」の、後者は「チバニアン兼農業学校」のホームページです。
キョウチクトウの取り扱いには注意なさってください。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2025-05-17