一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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ギガンジウムの色を止める方法をお教えください、

質問者:   一般   Kumiko
登録番号6172   登録日:2025-05-16
華道でギガンジウムを生けたいのですが、茎を切ると濃いオレンジ色がでます。花器に入れる白い石も水も染まるので使えません。どのようにすると、この色がでなくなるのでしょうか?
お教えいただけると幸いです。
Kumiko様

Q&Aコーナーへようこそ。歓迎いたします。
 ギガンジュウム(Allium giganteum)はネギの仲間で、日本名のギガンジュウムはそのラテン名(学名)の種名をさしています(Alliumはネギ属)。ギガンジュウムは巨大なという意味で、この植物を英語では Giant Allium と呼んでいます。花は美しいので庭に植えたりしますが、実は、残念ながら有毒植物に分類されています。
 まず初めに、ご質問に対する私の回答を述べますと、黄色い汁を止める/除く方法ではなく、黄色い汁に触らないことをお勧めします。勿論、毒性の程度は体内への取り込み方や、個人差などによって一様ではありませんが、切花としては他の花と同じように扱うのは十分に注意したほうがいいと思います。
 もし、どうしても切花にしたいということであれば、切り取った花の花茎をまずバケツなどの水にさして、切り口から液体を流出させてしまえばいいかもしれません。操作の時は手袋を使用されるのが良いかと思います。後述しますが、黄色い液の本体は葉で合成され、大部分は他の栄養分とともに地下のいわゆる球根に転流されます。一部は花部の成長のために地上部へ転流されます。したがって、花茎を切断してしまえば、花茎に残存していた黄色い汁が切り口から流れ出てしまうだろうと思うからです。これは私の考えですので、実際に試してみられるか、ギガンジュウムを売っている花屋さんでどのようにしているかをお聞きになることをお薦めします。
 折角の機会ですので。ギガンジュウムの黄色い液体ことについて、若干の説明をしておきます。
 他の球根植物と同じように、ギガンジュウムも葉で光合成を行い、栄養分は地下の球根に送られて蓄積されます。その時、硫黄を含む物資も合成されて一緒に移動します。この物質は、化学的にはジアリルジサルフィド(二硫化アリル)、ジアリルトリサルフィド(三硫化アリル)やチオ硫酸塩などをが含まれ、ネギの刺激的な臭いと毒性の原因となります。黄色の原因でもあります。自然状態では、成長と共に葉茎は黄色味が濃くなってきます。
 ギガンジュウムの毒は球根に一番多く、成長中の葉や茎にもかなり含まれます。花にありますが、少ないようです。毒性が強く現れるのは、これらを経口的に摂取した時で、消化器系、心血管系、神経系に顕著な影響がでます。また、黄色い液体や、植物組織から滲み出る液体が皮膚についた場合も、かゆみや痛みなどの刺激や人によってはアレルギー反応を引き起こすこともあります。前述したように、毒性の程度は、経口にしろ接触にしろ、摂取した量と個人の感受性によります。
 普段栽培して切花などに使われる植物の中には、程度の差こそあれ、有毒なものもかなり含まれます。植物は虫や鳥や他の動物による食害や、カビ、微生物による病害から自らを守るために、このような毒性のある物質を作っていることもあります。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2025-06-03