質問者:
自営業
fusigishizen
登録番号6207
登録日:2025-06-28
ツルムラサキの花について調べていました。あの小さな丸い花は萼片で形成されており、花弁はなく、開き切ることもなく、半開のままや閉じた球状のままで終わるとか。それはそれでとても面白いですね。知りたいのは花序についてです。穂状花序とありますが、ネットで写真を調べると、特に青茎系の場合、整然と穂状のものもあれば、多数が塊状に密集しているものもあります。これは、品種の違いでしょうか? それとも生育環境や個体差の影響でしょうか? ツルムラサキの花の場合、花軸は太くて短く、花柄がなくて直接花軸に付いているように見えるので、同じ品種でもこうした「穂状」や「塊状」になったりするのかな? と思いましたが、どうなのでしょう、教えてください。
みんなのひろば
ツルムラサキの花序について
fusigishizen様
こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「ツルムラサキの花序について」にお答えします。
自分で撮影したツルムラサキの写真を見てみました。私の写真でも、仰る通り、花が穂状に並んだものと一塊になったものがありました。ツルムラサキの花序は穂状花序なので花序軸(花序の中心の軸。ここでは花軸という用語は適切ではありません)の下の方から順次花を着けていきますが、上に行くにつれて花と花の間隔が狭まるようです。この間隔が長ければ穂状に見えるし、短ければ花柄がないことと相まって丸い花がかたまって塊状に見えると思われます。開花期の初期には先端部の花がまだ小さいので全体として穂状に見え、先端部の花が大きくなれば塊状に見えるのではないでしょうか。また、花序ごとに花序軸の長さに差があるでしょうから、短い花序では花が塊状に密集して見えるでしょう。ご覧になった「穂状」や「塊状」は、このようなものではないかと思います。花序軸に無柄の花を側生するものを穂状花序と呼ぶので、見た目が塊状であっても穂状花序であることに違いはありません。
こんにちは。日本植物生理学会の植物Q&Aコーナーに寄せられたあなたのご質問「ツルムラサキの花序について」にお答えします。
自分で撮影したツルムラサキの写真を見てみました。私の写真でも、仰る通り、花が穂状に並んだものと一塊になったものがありました。ツルムラサキの花序は穂状花序なので花序軸(花序の中心の軸。ここでは花軸という用語は適切ではありません)の下の方から順次花を着けていきますが、上に行くにつれて花と花の間隔が狭まるようです。この間隔が長ければ穂状に見えるし、短ければ花柄がないことと相まって丸い花がかたまって塊状に見えると思われます。開花期の初期には先端部の花がまだ小さいので全体として穂状に見え、先端部の花が大きくなれば塊状に見えるのではないでしょうか。また、花序ごとに花序軸の長さに差があるでしょうから、短い花序では花が塊状に密集して見えるでしょう。ご覧になった「穂状」や「塊状」は、このようなものではないかと思います。花序軸に無柄の花を側生するものを穂状花序と呼ぶので、見た目が塊状であっても穂状花序であることに違いはありません。
竹能 清俊(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2025-07-04