質問者:
自営業
nanny
登録番号6220
登録日:2025-07-15
6208ご回答ありがとうございました。過去の参照回答も教えていただき、わかりやすくありがとうございました。みんなのひろば
光合成時に取り込まれる二酸化炭素の割合
それを読んでいて、疑問をもったのですが、二酸化炭素は大気中で大変少ないですが、気孔から二酸化炭素は100%細胞内にとりこまれるのでしょうか?
それとも、とりこぼしがあるのでしょうか?
100%ではない場合は、どのくらいの%であり、また、その二酸化炭素はどのように選別されるのでしょうか? たまたまなのでしょうか?
nannyさま
再度のご質問、ありがとうございます。
光合成が取り込むCO2を選別しているのではなく、利用可能なCO2(細胞間隙のCO2濃度)に応じて光合成が行われています(CO2固定の反応速度は細胞間隙のCO2濃度に正比例)。
CO2が気孔を通過するには抵抗があるので(拡散抵抗)、細胞間隙のCO2濃度は外気と同じにはなりませんが、外気CO2濃度が上がると細胞間隙のCO2濃度も上がります。現在の大気CO2濃度(0.04% = 400 ppm)では、湿度が充分高く気孔が開いていれば、細胞間隙のCO2濃度は200-300 ppmです。光合成でCO2が消費されても、気孔が開いている限りは、CO2は外気から供給されます。大気中のCO2濃度は確かに低いですが、葉の体積に比べて大気の体積は非常に大きい(ほぼ無限大)なので、細胞間隙のCO2濃度は維持されます。ただし、CO2固定速度が非常に大きくなると、細胞間隙のCO2濃度が低下することもあります。
前回の回答でも記しましたが、細胞間隙のCO2は、細胞壁と細胞膜を通過して、細胞内に到達します(細胞壁、細胞膜の通過にも拡散抵抗があり、CO2濃度は下がります)。細胞内(サイトゾル=液体)中でのCO2の拡散は非常に遅い(気体中の1/10000)ので、より多くのCO2を光合成で利用するため、細胞内の葉緑体の多くが(条件によってはほぼすべて)が、細胞間隙に接する面に配置されています。
再度のご質問、ありがとうございます。
光合成が取り込むCO2を選別しているのではなく、利用可能なCO2(細胞間隙のCO2濃度)に応じて光合成が行われています(CO2固定の反応速度は細胞間隙のCO2濃度に正比例)。
CO2が気孔を通過するには抵抗があるので(拡散抵抗)、細胞間隙のCO2濃度は外気と同じにはなりませんが、外気CO2濃度が上がると細胞間隙のCO2濃度も上がります。現在の大気CO2濃度(0.04% = 400 ppm)では、湿度が充分高く気孔が開いていれば、細胞間隙のCO2濃度は200-300 ppmです。光合成でCO2が消費されても、気孔が開いている限りは、CO2は外気から供給されます。大気中のCO2濃度は確かに低いですが、葉の体積に比べて大気の体積は非常に大きい(ほぼ無限大)なので、細胞間隙のCO2濃度は維持されます。ただし、CO2固定速度が非常に大きくなると、細胞間隙のCO2濃度が低下することもあります。
前回の回答でも記しましたが、細胞間隙のCO2は、細胞壁と細胞膜を通過して、細胞内に到達します(細胞壁、細胞膜の通過にも拡散抵抗があり、CO2濃度は下がります)。細胞内(サイトゾル=液体)中でのCO2の拡散は非常に遅い(気体中の1/10000)ので、より多くのCO2を光合成で利用するため、細胞内の葉緑体の多くが(条件によってはほぼすべて)が、細胞間隙に接する面に配置されています。
宮尾 光恵(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2025-07-21