質問者:
一般
もりちゃん
登録番号6301
登録日:2026-02-01
こんにちわみんなのひろば
ハルニレの変種について
私は北海道の森林が好きで色々な樹木を観察しています。普段から調べたり見ている中で最近気づいたことがありました。
ハルニレの木を見ていると
枝のコルク発達が著しい個体
どうやら変種「コブニレ」という木が、私の住む場所に多く生えていて新しく生えてくる稚樹ニレは、かなりの確率でこのコブニレです。
もちろん普通のハルニレも生えていますが‥
これは地域の遺伝的影響でコブニレになる確率が高いのか?
それとも種内変異で偶然にも私の住む地域に生えるニレはコブニレになる率が高いのか、
それとも生育環境による影響なのか?
とても気になっています。
もし何か分かることがありましたら教えていただけたら嬉しいです。すみませんがよろしくお願い致します。
因みになのですが
私の観察してきたコブニレ達はハルニレより枝の伸長スピードが若干遅いような気がします。
成木の樹高は純ハルニレよりは、若干低めで枝が細かく密な感じがしました。
もりちゃん様
Q&Aコーナーへようこそ。歓迎いたします。
日本にあるハルニレの学名は「Ulmus davidiana var. Japonica」で、コブニレは「Ulmus davidiana var. Japonica f. suberosa (Turcz.) Nakai」と表記されています。
var.は variety(変種)略称で、f. は forma(品種)の略称です。これから分かるように、コブニレは植物分類上最下位の違いでなされています。つまり、コブニレの特徴とされる「若枝に褐色の瘤ができる」という形態的変異は分類的には別の種とするほど明確に固定した違いではないということです。
文献を調べてみても、コブニレとハルニレの違いをはっきりと遺伝的に調べた研究はありません。瘤は若い幹枝のコルク形成層が過剰なコルク層を作ってしまうことによって生じるものです。suberosa はコルクっぽいという意味です。このような形態的な違いは、コルク形成層の活性が遺伝的にもともと高いポテンシャル持っていることによるかもしれません。その程度には個体差があるでしょう。そして、恐らくなにか特定の環境ストレスがかかると、それが発現するのでしょう。厚いコルク層の発達は環境ストレスへの典型的な適応の例です。
コブニレの生育分布をみてみると、北東アジアの温帯生物群系(温帯バイオーム)、つまり温帯の生態群系の中にあります。日本では裸地、岩地など土壌の少ない環境に多く、また、灌木層が優勢の地帯に見られることも多いようです。韓国では、分布は非常にはっきりしていて、石灰岩地帯(アルカリ性土壌)という特定の生育環境にほぼ限定されているようです。
以上のことをまとめると、コブニレの出現は遺伝(内在的要因)と特定の環境への適応の両方で起きると考えて良いのではないでしょうか。
なお、分類の説明は本コーナーの登録番号5064, 5311, 5302を読んでください。
Q&Aコーナーへようこそ。歓迎いたします。
日本にあるハルニレの学名は「Ulmus davidiana var. Japonica」で、コブニレは「Ulmus davidiana var. Japonica f. suberosa (Turcz.) Nakai」と表記されています。
var.は variety(変種)略称で、f. は forma(品種)の略称です。これから分かるように、コブニレは植物分類上最下位の違いでなされています。つまり、コブニレの特徴とされる「若枝に褐色の瘤ができる」という形態的変異は分類的には別の種とするほど明確に固定した違いではないということです。
文献を調べてみても、コブニレとハルニレの違いをはっきりと遺伝的に調べた研究はありません。瘤は若い幹枝のコルク形成層が過剰なコルク層を作ってしまうことによって生じるものです。suberosa はコルクっぽいという意味です。このような形態的な違いは、コルク形成層の活性が遺伝的にもともと高いポテンシャル持っていることによるかもしれません。その程度には個体差があるでしょう。そして、恐らくなにか特定の環境ストレスがかかると、それが発現するのでしょう。厚いコルク層の発達は環境ストレスへの典型的な適応の例です。
コブニレの生育分布をみてみると、北東アジアの温帯生物群系(温帯バイオーム)、つまり温帯の生態群系の中にあります。日本では裸地、岩地など土壌の少ない環境に多く、また、灌木層が優勢の地帯に見られることも多いようです。韓国では、分布は非常にはっきりしていて、石灰岩地帯(アルカリ性土壌)という特定の生育環境にほぼ限定されているようです。
以上のことをまとめると、コブニレの出現は遺伝(内在的要因)と特定の環境への適応の両方で起きると考えて良いのではないでしょうか。
なお、分類の説明は本コーナーの登録番号5064, 5311, 5302を読んでください。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2026-02-09
