一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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植物の水分

質問者:   その他   北八
登録番号0676   登録日:2006-05-16
前回は、ご回答ありがとうございます。

今、学校で同じような実験をやっているのですが、植物の水分を抜くためにはどのような方法が望ましいですか?
北八さん:

日本植物生理学会 みんなの広場質問コーナーのご利用有り難うございます。ご質問は標記の番号で処理しますが、直ぐに回答します。

この質問は前回の登録番号0651に関連するものですね。
水分含量とはどんなものかをきちんと理解していれば、この程度のことは自分で思いつく筈でが。もっと工夫するようにしましょう。

乾燥前と乾燥後の重量を測定して水分量を測定すれば後はちょっとした算術です。乾燥の仕方は対象とする植物によって工夫する必要があるかも知れません。水分含量を測定するためには、それほど大量(大形)の材料を使う必要はありません。ダイコン、ニンジン、芋類のようなものであれば適当な厚みに切れば良いし、茎葉部であればそのままでよいと思います。但し、巨大な植物体全部などは対象外です。
1.乾燥する前に重量を測定します。キッチン秤であれば10グラム単位では正確に測定できるはずですから、少なくとも100グラム以上の植物体を使います。
2.学校などでは、乾燥機というものがあるはずですからそれを使えば乾燥できます。乾燥機の温度を60から80度(摂氏)に調節し、その中に植物材料を入れて、乾燥重量が一定になるまで乾燥します。
3.乾燥機がない場合、材料を風通しの良いところ(扇風機などをあてる)にそのまま放置してもできますが、次の二つを使えば便利と思われます。
a. 台所用品売場に密閉できるプラスチックの容器が売っています。大きさはいろいろあります。5から10リットル容量くらいが便利かと思います。
b. 薬品店やスーパーマーケットなどでいろいろな乾燥剤が売られています。その中で、「塩化カルシウム」を乾燥剤として使っているものを購入します。
b.をa.の中に入れておくだけで、かなり強力な「乾燥容器」が出来上がりますので植物材料を、ペーパータオルなどで包んで入れておき、乾燥するまで(乾燥重量が減少しなくなるまで)おけば出来上がりです。時間はかかります。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2012-08-25