質問者:
その他
武藤隆俊
登録番号0700
登録日:2006-05-22
はじめましてみんなのひろば
主幹からの枝別れについて
植物の枝の別れかたについて調べております。
枝分かれは、腋芽のすぐ下の部分から発生するようですが、「腋芽がどこに芽をつけるのか?」ということは調べてもわかりませんでした。
腋芽がどこに芽を付けるのか?わかりやすく教えていただけないでしょうか?
植物を真上から見た場合、幹のどの部分から新しい芽を出すのかその順番もあわせて教えていただけないでしょうか。
駄文・長文になりましたがよろしくお願いします。
武藤隆俊 さん
登録番号0700のご質問にお答えします。少し長くなりましたが、ご理解頂けると思います。
見た目の「枝の着きかた」は植物によって違いがありますが、「枝の分かれかた」には基本的な共通性があります。「枝分かれは、腋芽のすぐ下の部分から発生するようだ」との表現は植物学的には違って、「葉の基部に腋芽が形成され、腋芽が伸長して枝になる」のです。
植物は、茎の最上部にある分裂組織(頂端分裂組織)で新しい細胞を作り、新細胞を積み上げるように上へ上へと成長します。茎の頂端(茎頂)は微細な半球状で頂上付近に分裂組織があり、新しい細胞群が半球の周辺に来たときに枝分かれが始まります。分裂組織の周辺、半球の中程に膨らみができ葉の原基となります。次の葉原基が何処にできるかは植物によって違いますが一定の法則があります。2つの葉原基が同時に180度開いてできれば対生となります。茎頂半球の1カ所に1個の葉原基ができ、次の葉原基が順番に一定の角度で形成されるとき、茎頂を上から見て葉原基の位置を辿ると螺旋状になります。螺旋をn回廻るとm番目の葉原基は必ず1番目の葉原基の真上にきます。例えば2回廻ったときに6番目の、3回廻ったとき9番目の葉原基が1番目の葉原基の真上にくる、といった具合です。この場合葉は互生となります。このような葉の並び方を葉序といい植物種に固有の性質です。葉原基がある程度発達すると幼葉の基部、主茎との接合部の上側に新しい細胞の塊ができはじめこれが将来腋芽に発達します。つまり、葉の基部(ふつう葉柄が茎にある角度で付いています)には必ず腋芽が形成されていることになります。一般に枝と呼ばれているのはこの腋芽が伸長した茎葉部(苗條、シュート)です。草本では枝の付け根に葉がついているものも多く、落葉樹では新しい枝と主茎との付け根を注意深く見ると必ず葉が落ちた後(葉痕)が残っています。ですから、ご質問にある「植物を真上から見た場合、幹のどの部分から新しい芽を出すのかその順番」は葉序で決まってきます。ところが、腋芽は必ず伸長して枝になるわけではありません。一般には、主茎の茎頂は下部にある腋芽の伸長を抑制しています(頂芽優勢)が、植物種によってその抑制の度合いが強いもの(真っ直ぐな茎に葉だけが付いている)や弱いもの(腋芽が枝となるので叢状になる(スプレータイプのキクなど)までいろいろあります。抑制の度合いの強いものでも茎頂を切り取ると下部の腋芽が伸長しはじめます。また、腋芽が花芽になることも多く見られます。
上に説明したのは、決まったところに芽が形成される定芽のことですが、この他に不定芽といって葉の付け根以外の茎や葉の周辺に芽が形成されるものがあります。定芽でも不定芽でも頂芽以外の芽が伸長すれば枝になります。
登録番号0700のご質問にお答えします。少し長くなりましたが、ご理解頂けると思います。
見た目の「枝の着きかた」は植物によって違いがありますが、「枝の分かれかた」には基本的な共通性があります。「枝分かれは、腋芽のすぐ下の部分から発生するようだ」との表現は植物学的には違って、「葉の基部に腋芽が形成され、腋芽が伸長して枝になる」のです。
植物は、茎の最上部にある分裂組織(頂端分裂組織)で新しい細胞を作り、新細胞を積み上げるように上へ上へと成長します。茎の頂端(茎頂)は微細な半球状で頂上付近に分裂組織があり、新しい細胞群が半球の周辺に来たときに枝分かれが始まります。分裂組織の周辺、半球の中程に膨らみができ葉の原基となります。次の葉原基が何処にできるかは植物によって違いますが一定の法則があります。2つの葉原基が同時に180度開いてできれば対生となります。茎頂半球の1カ所に1個の葉原基ができ、次の葉原基が順番に一定の角度で形成されるとき、茎頂を上から見て葉原基の位置を辿ると螺旋状になります。螺旋をn回廻るとm番目の葉原基は必ず1番目の葉原基の真上にきます。例えば2回廻ったときに6番目の、3回廻ったとき9番目の葉原基が1番目の葉原基の真上にくる、といった具合です。この場合葉は互生となります。このような葉の並び方を葉序といい植物種に固有の性質です。葉原基がある程度発達すると幼葉の基部、主茎との接合部の上側に新しい細胞の塊ができはじめこれが将来腋芽に発達します。つまり、葉の基部(ふつう葉柄が茎にある角度で付いています)には必ず腋芽が形成されていることになります。一般に枝と呼ばれているのはこの腋芽が伸長した茎葉部(苗條、シュート)です。草本では枝の付け根に葉がついているものも多く、落葉樹では新しい枝と主茎との付け根を注意深く見ると必ず葉が落ちた後(葉痕)が残っています。ですから、ご質問にある「植物を真上から見た場合、幹のどの部分から新しい芽を出すのかその順番」は葉序で決まってきます。ところが、腋芽は必ず伸長して枝になるわけではありません。一般には、主茎の茎頂は下部にある腋芽の伸長を抑制しています(頂芽優勢)が、植物種によってその抑制の度合いが強いもの(真っ直ぐな茎に葉だけが付いている)や弱いもの(腋芽が枝となるので叢状になる(スプレータイプのキクなど)までいろいろあります。抑制の度合いの強いものでも茎頂を切り取ると下部の腋芽が伸長しはじめます。また、腋芽が花芽になることも多く見られます。
上に説明したのは、決まったところに芽が形成される定芽のことですが、この他に不定芽といって葉の付け根以外の茎や葉の周辺に芽が形成されるものがあります。定芽でも不定芽でも頂芽以外の芽が伸長すれば枝になります。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2006-05-29
今関 英雅
回答日:2006-05-29