一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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葉のかたちについて

質問者:   大学生   江道
登録番号0707   登録日:2006-05-25
通常の植物の葉は表と裏がありますが、ネギやタマネギのような葉はその様な特徴がありません。
なぜ、このような違いがあるのでしょうか?
江道さま

 みんなの広場へのご質問ありがとうございました。担当の柴岡です。みんなの広場には図が載せられないので分って頂けるようなお答えができるかどうか自信がありませんが、頑張ってみます。葉はご存知のように茎の先端(茎頂)で作られます。茎頂はドーム型をしていますが、葉はこのドームのてっぺんから少し離れた所が膨らんでそれが縦方向と横方向に伸びて出来ます。この膨らんだもののドームを向いている方が葉の表、反対側が裏になる訳です。ネギやタマネギでも葉ができる初めのうちは普通の葉と同じように、膨らんだものが縦方向と横方向に伸び出しますが、縦方向に伸びる場合、膨らんだものの先端が伸びるのではなく、裏側の先端より少し離れた場所を新しい先端として伸びます。もとの先端は取り残されたようになります。また横方向へはドームを取り巻くように伸び、両端がくっついてドームをかくしてしまいます。
その結果三角帽子のような形になります。その後、三角帽子の先端が伸びて葉になるのです。ですから何時も見ているネギやタマネギの葉は全部裏ということで、このような葉を単面葉と呼んでいます。それでは葉の表はどこにあるのでしょう。ネギの葉を1枚ずつばらして下さい。葉の付け根の部分が筒状になっているのが分かると思います。この筒状の部分の内側が表です。食用にしているタマネギでは1枚に剥がしたタマネギの外側が裏、内側(表皮がはがれ易い側)が表です。さてネギやタマネギの場合、葉が茎頂を覆ってしまいますので、次に出来た葉はどうなるのかということが疑問になると思いますが、葉の両側がドームを包むように伸びて両端がくっつき三角帽子を作った時、取り残された最初の先端の近くだけはくっつかず、小さな穴ができるのですが、次の葉はこの穴から出て来ます。ネギをじっくり観察すると、そういう葉が出来た時のことが分かると思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2006-05-29
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