一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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気孔について

質問者:   中学生   岩田 哲平
登録番号0710   登録日:2006-05-28
気孔には葉緑体があると理科の先生に聞いたんですが、葉の裏にあったらあまり意味が無いのでは?
どういうことか教えてください。
岩田 哲平 君

このコーナーに質問を寄せて下さり、ありがとうございます。
貴方からの質問には、気孔のはたらきについて研究をされている九州大学の島崎先生から、下記のような回答をいただきました。ご参考にして下さい。


[回答]
多くの樹木では気孔は葉の裏側にしかありませんが、草本植物では葉の両側にあるものが大部分です。従って、上の質問はすべての植物にあてはまるわけではありません。

それでは、葉の裏側の気孔の葉緑体は何をしているのでしょうか。このことについては、この質問コーナーの少し前の質問『気孔のまわりにだけ葉緑体があるのは何故ですか?』に答えましたので、詳しくはそちらをみていただけませんか。簡単にいうと、気孔を形成している孔辺細胞にある葉緑体の働きと、柵状組織や海綿状組織と呼ばれる葉の部分で、光合成(二酸化炭素固定反応)を活発に行っている細胞の葉緑体とは役割が異なると考えるのが良いでしょう。一般的に、孔辺細胞の葉緑体は気孔の開口に役立っていて(二酸化炭素固定反応がその主要な働きではなく)、葉の裏側のような弱い光しか当たらないところでも十分に役割を果たすと考えられています。

島崎 研一郎(九州大学大学院・理学研究院・生物科学部門)
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤公行
回答日:2006-05-31
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