一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ゼニゴケの受精の仕方について

質問者:   その他   石崎礼子
登録番号0083   登録日:2004-06-06
初めまして。

私はこの前に,学校で花の咲かない植物について,観察を行ったのですが,
先生がゼニゴケについて,こんな実験をしたと言っておられました。
ゼニゴケの雄株に一滴水をたらしたら,そこに精子が出てきたんだそうです。
そこで思ったのですが,ゼニゴケの雄株と雌株は,かなりの身長差があります。
精子はどうやって,雌株の卵まで泳いでいくのでしょうか。
教えてください。よろしくお願いします。
石崎 礼子さん

 植物生理学会のHPを訪問いただきどうも有り難う。ご質問への回答は以下の通りです。

 たしかにゼニゴケの雄株と雌株は身長差があったり、離れた場所にあったりします。しかし自然界では精子が雨のしぶきで運ばれたりして、造卵器の近くにたどり着くことができます。ある程度“偶然”に頼ることになりますね。卵の近くにたどり着いた精子が最終的に卵に到達するには、卵が精子を呼び寄せる誘引物質がはたらくのかも知れません。シダ植物の精子はリンゴ酸の濃度が高いほうに寄ってくることが知られています。しかし、このリンゴ酸も、自然界で本当にシダの受精の際に誘引物質として働くかどうかはまだ確かめられていません。誘引物質の解析は、とても難しいものです。誘引物質というのはふつう微量ですし、また精子が激しく泳ぐために偶然到達しているかも知れないからです。ヒトの受精の際も、偶然なのか誘引物質がはたらくのか、いまだにわかりません。
東京大学
 東山 哲也
回答日:2007-08-06
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