質問者:
中学生
ゆうすけ
登録番号0084
登録日:2004-06-06
中学校の植物のつくりで維管束について学びました。みんなのひろば
道管はなぜ内側なの?
単子葉植物と双子葉植物で維管束の配列に違いはあるものの、道管は内側で、師管は外側というのは共通しています。
どうして道管は内側で、師管は外側なのでしょうか?
また、葉脈でも表側が道管で、裏側が師管なのはなぜでしょうか?
教えてください!!
ゆうすけさん
回答がすっかり遅れてしまい申しわけありませんでした。受付担当の私のリストの中から外れてしまい、今までそのままになっていたことお詫びします。理化学研究所で導管の形態形成を研究されている出村先生にお答えをいただきました。参考にして下さい。
高等植物の維管束組織は、道管を含む木部組織、師管を含む師部組織、そして形成層からなる複合組織です。
形成層は成長の過程で木部組織と師部組織を作り出します。さて、高等植物では確かに、形成層をはさんで内側に木部、外側に師部が配置されている並立型が最も一般的ですが、内側から師部・ 形成層・木部・形成層・師部という配置(副並立型)や木部が師部を取り囲む配置(外木包囲型)などの例外も見受けられます。
並立型が多く見られる理由は実のところよくわかっていませんが、茎の肥大成長(茎が太くなること)と関連があるのかもしれません。数多くの植物の若い茎では並立型の維管束が円筒状に配置し ていますが、成熟すると維管束の間にも形成層(維管束間形成層)が作れら、外側から師部・形成層・木部がリング状に連続した構造を取るようになります。そして、形成層から連続的に内側に木部、外側に師部が作られることで茎が肥大成長します。道管や木部繊維などの木部の細胞の多くは成熟すると死細胞になりますので、もし木部が外側に配置していると肥大成長には不都合だと考えられます。
葉脈で表側が道管(木部)で裏側が師管(師部)になっているのは、茎の維管束との連続性を考えると理解できます。葉脈は節(茎と葉の接続部)から下のほうに伸びて節の下側で茎の維管束とつながっています。したがって葉脈の表側が茎に入ると内側(木部側)になり、葉脈の裏側が茎の外側(師部側)になります。
出村 拓(理化学研究所)
回答がすっかり遅れてしまい申しわけありませんでした。受付担当の私のリストの中から外れてしまい、今までそのままになっていたことお詫びします。理化学研究所で導管の形態形成を研究されている出村先生にお答えをいただきました。参考にして下さい。
高等植物の維管束組織は、道管を含む木部組織、師管を含む師部組織、そして形成層からなる複合組織です。
形成層は成長の過程で木部組織と師部組織を作り出します。さて、高等植物では確かに、形成層をはさんで内側に木部、外側に師部が配置されている並立型が最も一般的ですが、内側から師部・ 形成層・木部・形成層・師部という配置(副並立型)や木部が師部を取り囲む配置(外木包囲型)などの例外も見受けられます。
並立型が多く見られる理由は実のところよくわかっていませんが、茎の肥大成長(茎が太くなること)と関連があるのかもしれません。数多くの植物の若い茎では並立型の維管束が円筒状に配置し ていますが、成熟すると維管束の間にも形成層(維管束間形成層)が作れら、外側から師部・形成層・木部がリング状に連続した構造を取るようになります。そして、形成層から連続的に内側に木部、外側に師部が作られることで茎が肥大成長します。道管や木部繊維などの木部の細胞の多くは成熟すると死細胞になりますので、もし木部が外側に配置していると肥大成長には不都合だと考えられます。
葉脈で表側が道管(木部)で裏側が師管(師部)になっているのは、茎の維管束との連続性を考えると理解できます。葉脈は節(茎と葉の接続部)から下のほうに伸びて節の下側で茎の維管束とつながっています。したがって葉脈の表側が茎に入ると内側(木部側)になり、葉脈の裏側が茎の外側(師部側)になります。
出村 拓(理化学研究所)
神戸大学
三村 徹郎
回答日:2007-08-06
三村 徹郎
回答日:2007-08-06