一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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蘭の発芽は蘭菌がいないとダメだと聞いたのですが、

質問者:   自営業   博行
登録番号0849   登録日:2006-07-03
蘭の種子の発芽は蘭菌がいないとダメだと聞いたのですが、ネジバナもそうなのでしょうか?
ネジバナも蘭菌の助けを借りて発芽するのでしょうか?

家の庭の鉢植えに勝手にネジバナが生えて咲いていました。このネジバナも蘭菌の作用によって発芽したのでしょうか?
そうだとしたら、このようなに勝手に生えてきたネジバナはどのように蘭菌と一緒になったのでしょうか?

よろしくお願いいたします。
博行様

ネジバナについての下記質問(登録番号0849)に回答します。

回答:
ランの種子はとても小さく他のふつうの種子のように貯蔵物質(栄養物質)を十分に含んでいません。したがって、自然状態で発芽するには地中に生息するカビ(蘭菌)と共生して、栄養を補給してもらう必要があります。人工的に栄養培地で発芽させることはできます。共生するカビは地生ランではリゾクトニア(Rhizoctonia)という属のものが一般的なようです。
ところで、ネジバナですが、ネジバナの場合もおそらくある種のラン菌が共生していると思われます。しかし、その菌についての研究の例はしりません。ネジバナは一般の雑草と同じような土地で生育しますから、ネジバナと共生するカビはふつうに分布しているのかもしれません。鉢植えに使った栽培土の中にそのカビの胞子とネジバナの種子が混じっていたということもあるでしょう。また、ネジバナは多年草なので、根系が残っていたのかもしれません。一度生育してしまった個体は、根から容易に栄養を吸収しますし、葉がつていれば光合成で栄養分作りますので、蘭菌との共生は必要ありません。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2006-07-07
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