植物Q&A

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木の中は生きているか

質問者:   その他   善元幸夫
登録番号0866   登録日:2006-07-05
4月から4年生の子どもと総合学習を楽しくやっています。 

全体のテーマは持続する社会です。

 1. 学期は植物と人間
 2. 学期は社会と人間です。

そこで1学期は植物の多様性を知るために・木と草のちがい・についてサトウキビから学習を始めました。そこで教えてもらいたい事があります。

木の中の年輪の木質化している部分の細胞は生きていますか?死んでいますか?
また子どもにどう説明が可能ですか?

よろしくお願いします。
善元幸夫 様

小学生に植物の多様性を分かってもらうのはたいへんなことと思います。科学の面白さを体験を通して教えることは大切なことで、観察を繰り返し、比較しながら違いを見つけさせることはその第一歩かもしれません。ご努力に感服いたしております。
樹木の幹の大部分を占める木質化した部分は木部あるいは材(wood)と呼び、そこにある細胞のほとんどは死んでいますが、一部のたとえば針葉樹の二次木部にある樹脂道壁を形成する柔組織や放射組織の柔組織などは生きています。樹木に限らず種子植物の茎は中心から外側に向けて、髄(柔細胞)、維管束、皮層(柔細胞)、表皮と大別される組織からできています。単子葉植物以外では、維管束は環状に並んでいて、外側に篩管(篩部)、内側に道管(木部)が配置され、篩部と木部との間には維管束形成層と言う細胞分裂の盛んな細胞層があります。維管束形成層は外側に篩管要素(細胞)を、内側に道管要素(細胞)を作ります。道管要素は生きた細胞ですが、ある程度分化が進むと細胞壁は厚くなり特有の模様が出来始める頃には細胞が死に、被子植物では道管要素の上下の細胞壁が崩壊して繋がり長い管(道管)となります。裸子植物では上下の細胞壁はなくなりませんが、側壁に固有の孔がたくさんでき、この孔を通して水の移動が起きます。仮道管と呼ばれます。ですから、道管、仮道管は死んだ細胞からできていて主に根で吸収された水分、栄養分を運ぶ通路となっています。草本類の大部分はこの一次成長で終わり道管の周りには木部柔細胞がたくさんあってかなり生きた細胞が混在しています。樹木では二次成長が起きます。環状に配置された維管束と維管束との間にも形成層ができ(結果として形成層はつながって環状になります)外側に篩管を、内側に道管(二次木部)を作り続け道管壁にはリグニンが蓄積して木質化します。そのため内側に木質化した木部が蓄積して茎は肥大していき材となり、若い内は通導組織として働いています。樹木が年齢を重ねると材中心部の性質が変化し、リグニンのさらなる沈着、赤、褐、黒色などの色素の沈着を伴って堅い材となり通導組織としての機能を失います。この部分を心材と言い木材として良好な部分です。その周辺の二次木部を辺材といい道管は通導組織として働いています。辺材は心材に比べたら柔らかい材です。数百年を経た老木の幹の中心部が完全に腐食して空洞化していることはしばしば見られることです。樹皮と辺材の一部があれば樹木は正常に成長することを示すよい例でしょう。
関連質問が登録番号0794にあります。なお、篩管の文字は「ふるい管」の意味を持たせあえて使用しました。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2006-07-06
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