質問者:
その他
堀部
登録番号0087
登録日:2004-06-12
このホームページで葉緑体が光を感知して、細胞内で移動する画像を拝見し、驚嘆いたしました。葉緑体?
細胞内に存在する葉緑体が、効率よい仕事をおこなうために細胞内で移動することはわかりましたが、単に細胞内において複数で漂っているだけに思える葉緑体が、どのようにして移動しているのでしょうか。
また、そのほかのオルガネラも移動しているのでしょうか?その場合、同じ原理(動力源など?)で移動しているのでしょうか?
堀部さん
葉緑体をはじめ、核、ゴルジ体などのオルガネラが植物の細胞内で動くことは古くから知られています。葉緑体の場合、運動の仕方は大きく二通りに分けることができそうです。一つは、川の流れに風船が運ばれて行くように、原形質流動に乗って葉緑体が受動的に移動するタイプ。もう一つは、葉緑体自身が能動的に移動するタイプ。
いずれにしても動くためにはエネルギーが必要で、そのエネルギー源は、生物共通のエネルギー運搬体であるATP(アデノシン三リン酸)です。ATPの持つ化学結合のエネルギーを運動という物理的なエネルギーに変換しているのは、筋肉の収縮にも働いているアクチン、ミオシンと呼ばれるタンパク質です。
多くの場合、アクチンは繊維状の集合体となって軌道の役割を果たします。ミオシンはATPを分解してエネルギーを取り出す活性を持つ酵素で、そのエネルギーを使ってアクチン繊維に沿って滑ります。これが、動物であれ植物であれ、細胞内で見られるさまざまな運動現象の原理であると考えられていますが、葉緑体などのオルガネラが動く時、アクチン、ミオシンがどこにあって、どのようにして力を出しているかについての詳細は、まだ解明されていません。
参考文献:朝倉植物生理学講座5「環境応答」(寺島一郎編集、2001)
葉緑体をはじめ、核、ゴルジ体などのオルガネラが植物の細胞内で動くことは古くから知られています。葉緑体の場合、運動の仕方は大きく二通りに分けることができそうです。一つは、川の流れに風船が運ばれて行くように、原形質流動に乗って葉緑体が受動的に移動するタイプ。もう一つは、葉緑体自身が能動的に移動するタイプ。
いずれにしても動くためにはエネルギーが必要で、そのエネルギー源は、生物共通のエネルギー運搬体であるATP(アデノシン三リン酸)です。ATPの持つ化学結合のエネルギーを運動という物理的なエネルギーに変換しているのは、筋肉の収縮にも働いているアクチン、ミオシンと呼ばれるタンパク質です。
多くの場合、アクチンは繊維状の集合体となって軌道の役割を果たします。ミオシンはATPを分解してエネルギーを取り出す活性を持つ酵素で、そのエネルギーを使ってアクチン繊維に沿って滑ります。これが、動物であれ植物であれ、細胞内で見られるさまざまな運動現象の原理であると考えられていますが、葉緑体などのオルガネラが動く時、アクチン、ミオシンがどこにあって、どのようにして力を出しているかについての詳細は、まだ解明されていません。
参考文献:朝倉植物生理学講座5「環境応答」(寺島一郎編集、2001)
大阪大学
高木慎吾
回答日:2007-08-06
高木慎吾
回答日:2007-08-06