質問者:
高校生
みぃ
登録番号0901
登録日:2006-07-15
養分吸収における細胞壁と細胞膜の役割を教えてください。よろしくお願いします。
みんなのひろば
細胞壁と細胞膜の役割
みぃ さん:
「養分吸収における」と限定した上で、細胞壁と細胞膜の役割を知りたいとのことですが、どのような現象あるいは状況の下でこの疑問をお持ちになったのでしょうか。 この点が分からないとお答えしにくいのですが、養分吸収を広く解釈して養分の移動 をも含めた上でお答えすることにします。
地上に生育する植物は根(仮根を含みます)で、水圏に生育する藻類は葉状体で外界にある養分を吸収します。植物の養分はチッソ、カリウム、リン酸などの3大栄養素 を含めた無機イオンですが、外界にあるこれら無機栄養素イオンの濃度は根や葉状体の細胞内の濃度よりも遙かに低いものです。つまり、根や葉状体の細胞は、濃度の低い栄養分を濃度の高い細胞内に取り入れる必要があります。そのために無機栄養素イオンを汲み込むポンプのような装置が必要で、このポンプ装置が細胞膜にあります。このほかポンプを動かすためにはエネルギーを必要としますのでエネルギーを変換する装置、ポンプの強さを調節する装置、イオンの流れ口の大きさを調節する装置など、イオンを選択的に吸収する装置のすべてが細胞膜にあります。外界から養分を取り入れるときには細胞膜が主役であって、細胞壁は役割を持っていません。根で吸収された養分は地上部の葉や茎に送らなければなりません。養分はやはり根で吸収された水に溶けた状態で導管と呼ばれる管状組織を通して運ばれます。導管は縦に連なった導管要素と言う細胞の細胞壁が厚くなって細胞が死ぬと同時に上下の細胞壁が崩壊して縦に長い管状となったものです。厚くなった細胞壁にはリグニンという物質も沈 積して丈夫な管となっています。ですから吸収した養分を他の部分に運ぶために導管要素の細胞壁は重要な働きをしていることになります。導管に関しては登録番号0794の回答を参考にしてください。
「養分吸収における」と限定した上で、細胞壁と細胞膜の役割を知りたいとのことですが、どのような現象あるいは状況の下でこの疑問をお持ちになったのでしょうか。 この点が分からないとお答えしにくいのですが、養分吸収を広く解釈して養分の移動 をも含めた上でお答えすることにします。
地上に生育する植物は根(仮根を含みます)で、水圏に生育する藻類は葉状体で外界にある養分を吸収します。植物の養分はチッソ、カリウム、リン酸などの3大栄養素 を含めた無機イオンですが、外界にあるこれら無機栄養素イオンの濃度は根や葉状体の細胞内の濃度よりも遙かに低いものです。つまり、根や葉状体の細胞は、濃度の低い栄養分を濃度の高い細胞内に取り入れる必要があります。そのために無機栄養素イオンを汲み込むポンプのような装置が必要で、このポンプ装置が細胞膜にあります。このほかポンプを動かすためにはエネルギーを必要としますのでエネルギーを変換する装置、ポンプの強さを調節する装置、イオンの流れ口の大きさを調節する装置など、イオンを選択的に吸収する装置のすべてが細胞膜にあります。外界から養分を取り入れるときには細胞膜が主役であって、細胞壁は役割を持っていません。根で吸収された養分は地上部の葉や茎に送らなければなりません。養分はやはり根で吸収された水に溶けた状態で導管と呼ばれる管状組織を通して運ばれます。導管は縦に連なった導管要素と言う細胞の細胞壁が厚くなって細胞が死ぬと同時に上下の細胞壁が崩壊して縦に長い管状となったものです。厚くなった細胞壁にはリグニンという物質も沈 積して丈夫な管となっています。ですから吸収した養分を他の部分に運ぶために導管要素の細胞壁は重要な働きをしていることになります。導管に関しては登録番号0794の回答を参考にしてください。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2006-08-01
今関 英雅
回答日:2006-08-01