質問者:
自営業
博行
登録番号0914
登録日:2006-07-21
秋に結実する種子の多くは数週間冷蔵庫で保存すると発芽するようになると書物で読んだのですが、その種子を冷蔵庫で数週間保存する前と後では種子の中でどのような変化が起きたのしょうか?みんなのひろば
種子を冷蔵庫で保存する前と後では
よろしくお願いいたします。
博行 様
回答:
種子の発芽とは、成長を止めていた胚がふたたび成長を始め、通常、幼根が種皮を破って伸び始めることをいいます。
野生の種子は完熟後、一般にしばらく発芽せず、「休眠」と呼ばれる状態に入ります。その期間も原因もいろいろです。
休眠する種子のなかで、ある一定の低温期間(2か月前後)を経験しないと発芽が起らない種子を「低温要求性種子」と呼んでいます。(下記表に二三の例を挙げておきます。)
このような種子は温帯北部から亜寒帯の生育する植物に多く、自然の状態では発芽してすぐ冬になり、幼植物が低温の傷害を受けることなないように、気候に適応したものだといえましょう。したがって、人工的に低温を経験させてやると、いつでも発芽させることができます。 ただし、乾燥種子のまま低温においても、発芽能力はできません。種子を湿潤の状態にして低温に置くことが必要です。このような処理の方法は、昔から栽培家の間では良く行なわれていた方法です。
種子が休眠しているのは、多くの場合、胚の成長を抑制する物質(たとえばアブシシン酸という植物ホルモン)が多く種子中に含まれていることが原因だったり、逆に成長を促すホルモン(ジベレリンが一般的)が足りなかったり、あるいはその両方が原因であったりします。たとえばノイバラの種子には多量のアブシシン酸が含まれています。ヘイゼルナッツではジベレリンの含量が少なく、低温処理とともに、その合成能力をそなえてきます。したがって、低温要求性種子の場合は低温を経験している間に、これらの原因が取り除かれて、発芽能力が備わることになります。低温要求性種子を低温に曝さないでも発芽させるには、ジベレリンで処理してやればよい場合が多くあります。ジベレリンはアブシシン酸による阻害を抑える働きもします。
種名 適温(℃) 有効温度(℃) 処理期間(日)
ノイバラ 5 5〜8 50
ハナミズキ 5 1〜10 60〜90
リンゴ 5 5〜10 60〜90(ただし品種による)
サクラソウ 5 1〜5 150
ユリノキ 1〜10 1〜10 70
回答:
種子の発芽とは、成長を止めていた胚がふたたび成長を始め、通常、幼根が種皮を破って伸び始めることをいいます。
野生の種子は完熟後、一般にしばらく発芽せず、「休眠」と呼ばれる状態に入ります。その期間も原因もいろいろです。
休眠する種子のなかで、ある一定の低温期間(2か月前後)を経験しないと発芽が起らない種子を「低温要求性種子」と呼んでいます。(下記表に二三の例を挙げておきます。)
このような種子は温帯北部から亜寒帯の生育する植物に多く、自然の状態では発芽してすぐ冬になり、幼植物が低温の傷害を受けることなないように、気候に適応したものだといえましょう。したがって、人工的に低温を経験させてやると、いつでも発芽させることができます。 ただし、乾燥種子のまま低温においても、発芽能力はできません。種子を湿潤の状態にして低温に置くことが必要です。このような処理の方法は、昔から栽培家の間では良く行なわれていた方法です。
種子が休眠しているのは、多くの場合、胚の成長を抑制する物質(たとえばアブシシン酸という植物ホルモン)が多く種子中に含まれていることが原因だったり、逆に成長を促すホルモン(ジベレリンが一般的)が足りなかったり、あるいはその両方が原因であったりします。たとえばノイバラの種子には多量のアブシシン酸が含まれています。ヘイゼルナッツではジベレリンの含量が少なく、低温処理とともに、その合成能力をそなえてきます。したがって、低温要求性種子の場合は低温を経験している間に、これらの原因が取り除かれて、発芽能力が備わることになります。低温要求性種子を低温に曝さないでも発芽させるには、ジベレリンで処理してやればよい場合が多くあります。ジベレリンはアブシシン酸による阻害を抑える働きもします。
種名 適温(℃) 有効温度(℃) 処理期間(日)
ノイバラ 5 5〜8 50
ハナミズキ 5 1〜10 60〜90
リンゴ 5 5〜10 60〜90(ただし品種による)
サクラソウ 5 1〜5 150
ユリノキ 1〜10 1〜10 70
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2006-07-25
勝見 允行
回答日:2006-07-25