質問者:
中学生
あまのじゃく子
登録番号0929
登録日:2006-07-29
クスノキ幼葉と成葉の水の吸上げ量と気孔の関係を4月より調べています。みんなのひろば
クスノキ幼葉〜成葉の気孔数変化について
幼葉と成葉の枝の水の吸上量を経時的に測定し、幼葉の方が葉面積当たりの日中の吸上量が多い結果(2倍以上)が得られました(夜間の差は小さいので、クチクラ層など他の影響は小さい気がします。葉面積は最後にスキャナー取込しドット数より測定しました)。
仮説として気孔の密度が幼葉の方が多いと考えました(最初から葉の気孔数はほぼ同じで成長に従って疎になる)。
実際にスンプ法で幼葉と成葉を気孔の分布を比較すると新芽に近い幼葉ほど気孔の数は少ない傾向でした(枝の部位やサンプル数を増やして確認中ですが、幼葉に比べ成葉の気孔数は単位面積当り3倍以上になる傾向はあります)。
質問1)1枚の葉の気孔数は成長に従い、増加するのでしょうか(観察の仕方が悪く気孔がわからない?)。
質問2)幼葉と成葉の気孔1個では蒸散量が1桁を違うほどの変化があるのでしょうか。
質問3)葉の成長で気孔の数は増えることは、知られていることでしょうか。
あまのじゃく子 さん
お待たせしました。
この質問には、九州大学で気孔開閉のメカニズムを研究されている島崎研一郎先生からご回答をいただきました。島崎先生からの回答は以下のとおりです。
なかなか、具体的な質問です。まず、植物種により気孔の形や数が異なり、葉の生育段階にも依存しますので、この答えがそのままクスノキにあてはまるかどうかは明言できません。もし、若い葉の方が水の吸い上げが良いとしたら、気孔の密度が高く、活発で開きやすいところに原因があると思います。幼葉が成熟葉に比べて気孔密度が低いというのは、少し考えにくいので、再度、調べてみる必要があるかもしれません。スンプ法を用いなくとも、葉のままで気孔の数を調べることはできませんか?
質問1) 通常、気孔は植物の葉が一定程度展開した段階で出来上がってしまい、そののち、気孔の数は増えないと考えられています。従って、若い葉の方が気孔の密度は高いでしょう。クスノキのような木本植物では気孔が見にくいことが多いです。草本植物、例えば、ツユクサなどの植物で試してみてください。
質問2) 一枚の葉の気孔は一様に閉じているわけではなく、よく開いているものとそうでないものが入り混じって存在しています。また、一個のサイズも変動します。従って、開き具合とサイズが大きく違えば蒸散量に10倍以上の差を生じるでしょう。
質問3) 葉の面積の増大に伴ってある程度まで増えます。しかし、あるところから葉面積は増えるが気孔の数は増えない状態になると考えられています。
島崎 研一郎(九州大学大学院・理学研究院・生物科学部門)
お待たせしました。
この質問には、九州大学で気孔開閉のメカニズムを研究されている島崎研一郎先生からご回答をいただきました。島崎先生からの回答は以下のとおりです。
なかなか、具体的な質問です。まず、植物種により気孔の形や数が異なり、葉の生育段階にも依存しますので、この答えがそのままクスノキにあてはまるかどうかは明言できません。もし、若い葉の方が水の吸い上げが良いとしたら、気孔の密度が高く、活発で開きやすいところに原因があると思います。幼葉が成熟葉に比べて気孔密度が低いというのは、少し考えにくいので、再度、調べてみる必要があるかもしれません。スンプ法を用いなくとも、葉のままで気孔の数を調べることはできませんか?
質問1) 通常、気孔は植物の葉が一定程度展開した段階で出来上がってしまい、そののち、気孔の数は増えないと考えられています。従って、若い葉の方が気孔の密度は高いでしょう。クスノキのような木本植物では気孔が見にくいことが多いです。草本植物、例えば、ツユクサなどの植物で試してみてください。
質問2) 一枚の葉の気孔は一様に閉じているわけではなく、よく開いているものとそうでないものが入り混じって存在しています。また、一個のサイズも変動します。従って、開き具合とサイズが大きく違えば蒸散量に10倍以上の差を生じるでしょう。
質問3) 葉の面積の増大に伴ってある程度まで増えます。しかし、あるところから葉面積は増えるが気孔の数は増えない状態になると考えられています。
島崎 研一郎(九州大学大学院・理学研究院・生物科学部門)
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤公行
回答日:2006-08-04
佐藤公行
回答日:2006-08-04