一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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アサガオがしおれるのを遅らせる方法はありますか?

質問者:   その他   岩井まな
登録番号0098   登録日:2004-07-11
わたしは、1年生の時から毎年アサガオを育ててきました。毎日観察していると、花がどうしてしおれるのかとても気になるようになりました。
何時にしおれるか、その時はどんな天気で気温や湿度がどのくらいだったか観察を続けてきましたが、花がしおれるということとそういう条件にあまり関係があるようにはみえませんでした。

受粉したらしおれるのかなあと思いましたが、しおれた後にたねの出来ない花もたくさんあって、アサガオがしおれる時間はどうやって決まるのかがとても知りたくなりました。
アサガオが夕方になってもしおれない日もありますが、しおれる時間に差が出るのはどうしてなのかということもとても気になります。

いったい何がアサガオのしおれる時間を決めているのでしょうか。そして、アサガオがしおれるのを遅らせる方法はありますか?

一生懸命考えてがんばったのですが、(今年も夏休みに研究しようと思っているのですが)どういうふうに考えたらよいのか、実験を計画したらよいのかわからなくなってしまいました。

もしもヒントをいただけたらうれしいです。
岩井まな さん

質問いただき、ありがとうございます。お返事がおそくなってごめんさない。
私は、花の咲く研究ではなく、花の色の研究をしているので、すこしおおまかなお答えしかできませんが、以下のようなことが考えられると思います。

花がしおれるのは、細胞から水が出ていくためです。植物の体、細胞はとてもたくさんの水が含まれていて、とくにアサガオの花の細胞は95%以上が水です。ツボミが咲いて開くときには、自重と同じくらいの量の水が入って、ピンと咲きます。細胞の体積は約2倍になります。これは全部、根から吸収されて茎をとおって花まで運ばれたものです。しぼむのは、水の供給が断たれて細胞内の水が減るるためではないかと思います。その理由や機構はわかりませんが、花のツボミの成長と開花そして老化現象、最終的には花びらの死と種子をつけることが最初から仕組まれているものと思います。

私たちが実験用に植えている空色西洋アサガオの例では、真夏の気温の高いときは朝咲いた花は昼ごろにはしぼんでますが、曇っていて気温が低い場合はもうすこし、しぼむまでの時間が延びます。秋になってくると夕方までしゃんとしています。西洋アサガオは、とても寒さに強いアサガオで、10月になっても花を付けます。そのころになると、しぼむ時間もますます遅くなって、翌朝になっても多少しぼみ気味ですが、花の形を保ってます。このことから、気温は、アサガオのしぼむのに大きく関係していると思います。

具体的には、温度を20度以下に低くすれば、しおれるのを多少遅くできると思います。

一方、受粉とは関係ないと思います。

またもしわからないことがあったら、何でも聞いて下さい。
名古屋大学大学院
 吉田 久美
回答日:2006-11-17
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