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進化する遺伝子概念

遺伝子というとエンドウを使ったメンデルの実験が有名ですが,生物の繁殖と形質情報との関係は,ギリシア時代から探求の対象となっていました。本書では,遺伝現象についての古代の考えから始まり,メンデルの法則とその再発見,モーガンの遺伝子概念,分子生物学の誕生に伴う遺伝子概念の変容,そして現代のゲノム時代における遺伝子概念など,さまざまな遺伝子の概念とその矛盾を考察し,著者独自の概念を提案しています。日本の遺伝学教育ではなかなか扱われない幅広い内容が紹介されており,学生にも教員にも参考になると思います。